Monthly Archives: March 2012

「正義を言わない。組織に属さない。リーダーにならない。」藤森照信の面白い発言メモ

Terunobu Fujimori 藤森照信

「人と土に根ざしたコミュニティ・再デザイン」

JABS 建築雑誌, vol.126, no.1625, Dec 2011, pp.14-19内

基本的に座談会の他の参加者が、今回の大震災に則した話を展開しているのに、藤森せんせーはマリの原始住居からハンガリーからオーストリアへの大移住へ、話を進め、かみ合っているようなかみ合っていないような。でも面白いからいいけれど。

最近の日本の住宅建築の傾向に関して

「21世紀の住宅の重要課題は難民キャンプ」

伊東豊雄と、西澤立衛の森山邸のような建築について「分離派住宅」と冗談を言っていた

被災地支援の「シェルター展」の誘い。「…個人の小屋をつくろうと思って、一坪の小屋を合板でつくり、リヤカーで輪をつけて引っ張れるようにした。入り口の前で火を焚いて、火を見ながら、とりあえず過ごす。」

看板建築とかのネーミングの妙は建築探偵時代からだし、分離派、みたいなだじゃれはよく言っているし、火の話もあちこちでしているけど、この人の孫に生まれたかったなあ、と思う発言連発。

コミュニティ

震災復興に乗り出した建築家たちが個人の住まいでなくコミュニティの提案をしたから驚いた(「帰心の会」:山本理顕、内藤廣、隈研吾、妹島和世、伊東豊雄)

コミュニティといえばマルクス主義かヒューマニズム。「同世代の友達(建築家)は、(どちらとも)切れた場に立て籠もって前衛的表現をしているとばかり思っていたからびっくりした。」

「私自身は公共に耐えない…正義を言わない。組織に属さない。リーダーにならない。」

コミュニティということへの関心は、内藤さん(特にMedellín以降)や山本さん(特に上野千鶴子との論戦?対話以降)、ちょっと売りにすらなっているから分かる。伊東さんは「遊牧少女」と言ってて、その遊牧少女のモデルが妹島さんだったから、藤森さんが驚くのも分かる気がする。ただ、地震に直接影響を受けたのか、あるいはすでにだんだんそういった意識を醸成していたのかも知れない。隈さんは、どんな状況でも対応できる人だから、驚きというのとはちょっと違うかも。

なんとなく「がんばろう東北」が大政翼賛会的になっている中で、この反骨精神はびびっとくる。そういえば三宅理一先生にも、「僕の研究、なんの役にも立たないんですよ」とこぼしたときに、「なんの役にも立たないことをやっている方が、いろいろな人に信頼される。利害で動いていないから」と言われて、そういうものかと思った。

保存

「私がやっていたころの「保存」は、社会的活動では全然なかった。ほとんど無駄な抵抗みたいなことだった。今は広がりがあり、権威を持つようになった。そうなってからは「保存」にはかかわっていません。」

人類の住まいの優先順位

まず、水…「水の周りに集まった人は…火を焚く…火の周りに家族が集まる。その次にシェルターをつくります。シェルターはあとで来るんです」

「どうして被災者の人たちは、火を焚かないのだろうかと不思議に思って見ていました。木の床の上でも土を少し敷けば安全に火を焚けるのに」

彼の純粋さと嗅覚と言語感覚が、日本の建築界周辺でしか共有されず、たぶん人類学や考古学からは実証姓のないけど面白いことを言うおじさんと思われているだろうことは残念。そしてそれほど外連味はなくても非常にユニバーサルな視点で独特の表現力を持っているのに、世界ではたぶん、彼のネオ・プリミティヴな建築的インスタレーションしか知られていないであろうことはもっと残念。

今和次郎

関東大震災の翌日から考現学を始める。震災のあとで人間のやっていることが面白くて仕方がない。仮復興が始まると、「バラック装飾社」

 

Augustin Berque, on Japanese Climate

Augustin Berque

How Can One Re-create Japanese Climate?

日本の風土を再建することが考えられるか?

JABS 建築雑誌, vol.126, no.1625, Dec 2011, pp.12-13

ベルクを読むと思うのは、「巧く言う」ことの大切さ。そして、ベルクにとってのフランス的教養と同様に、ぼくも漢籍含め日本的教養を身につけなければ、Hispanistaとしてスペインで認められるような仕事はできないのかも知れない、ということ。

それにしても、博覧強記というほどでもないし、特に新しいことも言っていないのにベルクが日本の教養人(とりわけ土木・建築関係者)にもてはやされるのは、もしかしたら日本の知の受容のあり方も関わりがあるのかも知れない。西洋の評価を待っている。北野武やジャパニメーションがそうであるように?

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